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「運動療法」や「食事療法」といった固い言葉を使うと、なんだか歯を食いしばって頑張っているイメージがありませんか?
健康によいとわかっていても、これでは身構えてしまいますよね。
運動って、体を鍛える、筋肉を増やす、エネルギーを消費する、骨を強くする、糖尿病の予防になる、血糖コントロールを改善させるなどといった効果が期待できますが、何といっても気分転換になります。
歯を食いしばって激しい運動をする必要はありません。まずは楽しく簡単にできる体操やウォーキングなど、取り組みやすいものをやってみてはいかがですか。そんな時間がないという方でも、エスカレーターではなく階段を使ってみるとか、近い距離ならバスや電車を使わずに歩いてみるとか、できることはあるはずです。
身体を動かすと楽しくなります。楽しければ継続できます。
食事もそうです。「お菓子はダメ」「味付けは薄く」なんか言われて、大好きなものを取り上げられてしまうと思っていませんか?
私たちが提案する「糖尿病食」は「健康食」でもあるんです。昔から「腹八分」は健康によいとされていますが、最近の霊長類の研究でも、満腹まで食事をしない方が老化を防げると言われています。「おいしいものを食べない」ではなく、「本当においしいものを適度に食べる」、こう考えると食事も楽しくなるかもしれませんね。だって、自分の身体のために前向きに取り組んでいるのですから。
実は運動だけでは体重は減りにくいことがわかっています。脂肪を1kg減らそうと思えば、約7,000kcal消費が必要なんですから一朝一夕には達成できないですよね。
しかし、食事を1日200kcal減らして、運動を1日200kcal行う、これならどうでしょうか。実行できれば、1日400kcalのマイナスになりますから、体重も1か月で1.5kg以上減ることとなります。
無理して頑張るよりも、楽しく毎日つづけられることをコツコツ続ける、これがポイントかも知れませんね。
さて、糖尿病って「生活習慣病」なのでしょうか。「生活習慣病」って何なのでしょうか。
厚生労働省による定義は、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」です。確かに食事のバランスが悪かったり、運動を全くしなかったりすることは糖尿病を悪化させますので、この定義にあてはまります。
しかし、日本人には「インスリン分泌が低下している」という体質があり、太ってないのに糖尿病になりやすい傾向があります。食事・運動にしっかり取り組むことで、確かに糖尿病の発症予防につながりますし血糖コントロールの改善にもつながります。が、糖尿病はそれだけが原因で発症するわけではありませんので、適切な薬物療法も必要となります。代表的なお薬として、インスリンの分泌を助ける飲み薬やインスリンの効きをよくする飲み薬、インスリンそのものを補う注射薬などがあります。医療機関で処方される医薬品は有効性と安全性を確認したうえで販売の許可が出されますから、適切な診断のもと適切な薬物を使うことはカラダにとってはプラスになるのです。
「え、お薬ですか」と言われることもあります、しかし、食事や運動などの生活習慣だけでは糖尿病の原因すべてを取り除くことはできません。毎日つづけるお薬だからこそ、その効果を知り、定期的に検査をうけながらきちんと継続しましょう。
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